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さて、記念すべきコラムの第一回を早速始めましょう。 バイクは危ない。 これはバイクに対する一般的な社会的な見方ですし、バイクに乗るのをご家族から反対される最大の理由でもあります。 これらを総合すると、バイクは残念ながら、危険であると言わざるを得ません。 <アクティブセーフティーとパッシブセーフティー> 安全性を踏み込んでお話する前に、必ず押さえておきたいポイントがふたつ。 それがアクティブセーフティーとパッシブセーフティーという二通りの安全性の考え方です。これらが、何かということですが、クルマを例に出すとわかりやすいのでここから始めましょう。 アクティブセーフティーとは難しく言えば事故未然防止技術、事故回避技術ということで、要するにブレーキを掛けてもホイールがロックしないようにするABSとか、アクセルを開けすぎてもタイヤがスリップしないようにするトラクションコントロールとか、どちらかというとドライバーの運転に介入して、事故を起こらないようにしようという技術です。 クルマの場合は、このように安全性の議論を始めますと、何か起こったときにハードウェア(機構)でどのように人間のミスを補うか、ということとほとんどの場合はイコールです。 さて、このふたつの考え方をもとに、バイクにお話を戻しましょう。 <バイクのアクティブセーフティー> 脱線しますが、話はついでですので、このバイク用ABSについてしくみを少々ご説明をしましょう。 まず、フロントホイールとリヤホイールにはそれぞれ車輪速センサーというものが付いてます。そしてブレーキングを行なった際に、このフロントとリヤの車輪速が著しく違った場合に、ホイールがロックした、とABSは判断します。こうなりますと、ABSのコントローラーが前後どちらか必要な方のブレーキの油圧を抜きます。すると、油圧を抜かれた方のブレーキは働きませんのでロック状態が解除されます。もちろんこのままでは、単に効かないブレーキですので、油圧を回復させるとブレーキは再度働きます。あとは、この油圧を抜いたり回復させたりの繰り返しを行なう事により、ロックが回避されるというしくみです。実際は、最近のものでは前後連動していたりさらに複雑ですが、概ねこのような感じです。 クルマと同じであれば、もっと一般化しても良いはずのこのABSは何故あまり普及しないのでしょうか?それには、ABS自体のコストが高いことも要因ですが、他にも色々理由があります。 @ABS作動中の振動(キックバック) A制動距離が伸びぎみになる Bリヤホイールロックによる回避が出来ない 一言でいうと、ロック寸前や、ロックした後のギリギリのところ、いわゆる過渡特性の調整がバイクでは難しいのです。 これが、クルマの場合には、ホイールがロックさえしなければある程度は急にハンドルは切ることはできて、事故を回避できる確立は上がりますが、バイクの場合にはバランスを常に保つ必要があり、例えロックしていなくても、ハンドルを急に切って危険回避することはできません。 |