TamaShopで今、”ほっと”なバイクを紹介します。

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こだわりのW650第一回はTamaShop代表"金字塔”氏が
Wの原点と、現代のWとの比較から熱く語り始めます...
さあ一緒に走り始めましょう。
 はじめに、私が20世紀を3万km走り抜いてきた”W”「W1SA」と、21世紀の”W”「W650」を2台を乗り継いできた経験から、「人に置き換えた」2台の比較からまずお話させていただきます。
「W1」の歴史を紐解けば、BSAやトライアンフに瓜二つ、言うなればメグロ時代の技術者によって、言葉は悪いですが、”複写”されたバイクでありました。当時扱った、私の経験からすれば、出来の悪い、扱いづらい子供と同じで、これを乗りこなした諸兄は、我が子のように手を掛け、愛の鞭をもって育てたものです。
重い、曲がらない、振動が多い、部品が落ちる、エンストする、乗りにくい、当然オイル漏れは止まらない、正にわがまま放題の子供でした。
しかし、おかしなもので、こんな「問題児」にも、バイク屋にとってかけがいのない利点がありました。なにしろドック入りすることが多いバイクでしたので、必然的にお客様とのコミュニケーションが深くなり、また自身もメカニズムの原点を知ることになりました。こうなりますと、修理代が幾ら、という問題ではなく、気づいたら手を掛けるうちに、人車一体の一種独特の満足感に浸ることになりました。
このことによってその後も生きる、「勘」による技術を習得出来たのです。初期のWはだだっこの子供のようでしたが、ある意味先生でもあったのです。
筆者”金字塔”氏とW1SA。1972年TamaShop創業当時の写真です。なお当時はヘルメットはかぶらなくてもOKでした。念のため。。。
今では、このクレームの絶えなかったこの時代のバイクが懐かしいのですが...、残念ながら同じようなマシンは環境問題然り、社会も許してくれないでしょう。

さてここで、21世紀の”W”「W650」の登場してもらいましょう。
まさに今、欲しい、望まれて生まれてきたバイクです。
良いところを挙げれば、まずすばらしい燃費、平均25km/liter以上走ります。粘り強いエンジン、500rpmの低い回転からも加速してゆきます。もちろんエンストはしませんし、オイルなぞ漏れる気配もしません。ハンドリングも素直で、高速は確かにやや不得意ですが、中低速では非常によく曲がります。
このエンジンとハンドリングの組み合わせは、ワインディングで40-80km/hを、5速キープのままで走ることが出来、苦も無くひらひらと駆け抜けていくその感覚は、まさに虜になるものがあります。
初代W650を安全運転講習会で駆っている金字塔氏の勇姿です。
このバイクはTamaShopのお客様にお婿に行ってしまいました。
さて、このW650、発売と同時にTamaShopの1号車として登録し、3000kmを走ったところで、お婿さんに養子として出してしまいました。
さすがに、現行機種では、これに匹敵するようなバイクはなく、また我が子を忘れられないような気分になり,3型になったW650を再購入することになったのです。そして、ここから7000km走って、今に至ります。
ここで、3代目(左写真)となった「孝行息子」の自慢を少々してみましょう。

まずはハンドルから、ハリケーン製のものに変えてあります。そもそもこのバイクはアップハンドル仕様でしたが、これは高さは良いのですが、幅が広すぎで、逆に純正のローハンドルでは低すぎになってしまいます。そこで、幅を肩幅程度にし、かつアップハンドルより若干高さを上げ気味にしたこのハンドルに変えますと、操作性も上がりますし、またポジションもアップライトのままで非常に快適になります。

次に、一瞬ノーマルに見えますが、マフラーは、BEET製NASSART-TRADUに変えてあります。
現在の愛車、2代目W650です。見た目はパニアケースしか違いませんが、実は細かいこだわりが隠されています。(クリックで大きな写真になります)
美しいW650のエンジンの右側と、NASSART-TRADUのエキゾーストパイプです。写真をクックすると大きくなります。とにかくその美しい緩やかな曲線、つなぎ目のない美しいパイプがご覧になれます。
この、TRAD-Uマフラーは、かつてほど音量は大きくなくとも、非常に良い音色を聞かせてくれます。特に高いギヤで、低い回転からの加速時は、少しだけ、かつてのW1SAを思い出すことが出来ます。かつてのWはサウンドにノイズもありましたが、これは正にサウンドです。

ちなみに、このバイクとノーマルのW650を比較試乗されたお客様がおられて、この車両を乗った後の感想が、「だいぶ、加速感が違いますね。こちらのほうが良いです」とのことでした。もちろんキャブセッティングは施してありますし、マフラー自身も良いものですので本当に加速感が良くなっていると思います。でもこの音こそが、加速感を増しているのだと思います。バイクは、非常に感覚に左右される乗り物です。本当に速く走らなくとも、その気になれる、心地が良いのであれば、それも良いのではないでしょうか?
TRAD-Uのサイレンサー部分です。かつてキャプトンと言われたかたちのものです。ちなみに、この部分と車体の取り付けステーとの溶接部分が右の写真ですが、非常に良い仕事です。上の写真のエキゾーストパイプの曲げといい、見た目も非常に満足できるものです、
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