<秩父34ヶ所巡り>

 さてレポートも、2ページ目突入。ここからが本番。

 さて、一行は今回の目的地野坂寺に到着。到着して、Wオーナーのみなさんは、その立派な山門のお出迎えに感銘を受けたはずです。
 
 秩父札所一二番 沸道山・野坂寺(のさかじ)・・・臨済宗南禅寺派で聖観世音(藤原時代作の観音様です)をご本尊とする禅寺です。札所十二番ということですが、ちなみに秩父には34ヶ所の札所と呼ばれる場所があります。この秩父における札所の創設というものは、1234年に始まったという説と、1187年という説があるらしいですが、いずれにしても室町期まで遡るという、由緒正しいものです。
 さて、モノはついでですので、巡礼といいますと、有名なものでは四国の88ヶ所、そして西国33ヶ所、坂東33ヶ所(関東全域で、有名なものに日光の中禅寺があります)です。この他にも巡礼場所は日本全国で20ヶ所以上あるようです。

これが前回お伝えした写真。
参加された方はもうどこかお判りですね?
野坂寺の山門です
ちなみに野坂寺の由来はこんな感じです。
ゆっくり読めなかった人は是非どうぞ。
クリックで大きくなります。


ご住職の繰り返されて話されていたこと、
それが今の体は借り物でありいずれ返す日が来る、
その日までは、この文句のとおり、
感謝をしながら、最大限に使うべし、ということでした。
 さて、その巡礼地ですが、いずれも普通は88ヶ所か、33ヶ所ということになっています。それぞれ88ヶ所の場合は、人間の持つ煩悩の数と同じだけ、33ヶ所の場合は、観音信仰の中で、観音様が、慈悲の心を示すため、33種類の姿で救われたということから意味のある数字となっています。ところが秩父は、34ヶ所で一つ多い。これは先に書いた西国33ヶ所、坂東33ヶ所が有名でこれに34を加えると、丁度100。語呂がよく100観音巡りとなるのでもともとの33に1加えて、巡礼者を招きやすくした、ということだそうです。

 さて、このような薀蓄はともかく、ここは禅寺。無になるのに、必要のないこと。なにはともあれ座らなければ、始まらない、ということで、まずは境内へ・・・

野坂寺駐車場に停められてゆくW達。
その音には、ちょっとだけ観音様も驚いたかも・・・

駐車場で出迎えてくれた、お地蔵様。

山門へ向かう一行

美しく、荘厳な山門

本堂の前に並ぶ六地蔵の内の三像。
どことなく見ていると心安らぐお地蔵様達
この他にも、お掃除小僧という、
箒を持っているお地蔵様もいらっしゃるようですが、
写真を撮り忘れました。残念。
<まずは呼吸を整える>

 さて、きれいな花のたくさん咲く境内を足早に抜け、まずは待合場所となる茶室へ。
 この一室から望む、日本庭園は見事という言葉に尽きます。ご住職が最後のお話で、薄暗いジメジメしたお寺ではなく、花が咲き誇り、日の当たる、明るい極楽浄土としたい、というお言葉がありましたが、これは正にそれを具現したものです。庭の中央には滝が流れ、池には大きな錦鯉が悠然と泳ぐ。この庭園だけでも一日見ていたいと思ったのは、私だけでしょうか?
 さて、皆さん入室したところで、田住職がいらっしゃいました。そしてまずは、本堂へ入る際の礼と、座る際の礼など、最低限のお話をされました。
 ちょっとだけ、厳かな気持ちになったところで、一列になり、手を合わせながら、入口で一礼をし、本堂へ。
 そこには、日常ではない世界がありました。まさに心を清める場所です。そこで、各々の座布団(これは座りやすく2段になっています)の前で一礼しながら座ります。
 全員が座ったところで、ご住職から座禅の方法について説明がありました。まずは、あぐらで座り、片足を反対の脚の上に載せる、でも苦しい場合は少々崩しても良い、ということでした(この座り方は3種類ある座り方のうち、半跏趺坐 -はんかふざ- と呼ばれるもののようです)。

まずは茶室でご住職の説明を聞きます。

左の茶室から望める、日本庭園。真中には滝も流れます。
ちなみにこの池の上に特設ステージを作って、かがり火コンサートをすることもあるそうです。
ここで、背中を伸ばし、呼吸を整えるように、との説明がありました。深く吸って、ゆっくり吐き出す。この呼吸に集中することが、座禅の一番重要なことになるとのこと。
 さらに、視線は前1m位に据え、目は閉じず、開けずのいわゆる半眼、やや視界がぼやける程度に、ということで、説明が終わり、必要であれば姿勢を正しにまわります、という言葉を受けて、鐘の音と共に、座禅に突入しました。
 普段はない、滝の音しかしない世界。偶にパシッという、姿勢を正す音が聞こえていました(まさか警策 -きょうさく あのおなじみの打つための棒ですね −を持っているとはみなさん思っていなかったようです・・・)。
 後の住職の話では、この滝の音も熟練すれば、意識の外に置けるとのこと、まだまだ凡人には遠い世界です。
 ここから約20分程度、いや実際には何分であったのかは、定かではないですが・・・座りつづけました。最初は、体を動かさないことに神経を集中し、やがて呼吸へ。意外と難しいのが、目を閉じないようにすること。あくまでも見えているのにそれを見えていないように意識の外に置くのが座禅。でも閉じないようにすることに意識が移ってしまって、呼吸が乱れてしまう・・・
ここで座禅は終了。
深遠な世界のほんのさわりであったかも知れませんが、如何に普段の生活が本当のリラックスから遠いものか判ったような気がします。もっともリラックスし過ぎて眠くなってきたお疲れの人もきっといたはず・・・
さて、この座禅の時の様子は、ご住職の許可を得まして、培倶人の福山カメラマンが撮影しています。さてあなたの座禅のときの顔はどうなっているか、25人もの人間が神妙な顔で半眼で座っている写真などというものは、あまりないもの。これも来月の発売日を心して待ちましょう。

座禅終了後の境内。
この後、記念撮影を行ないました。
<よりリラックスした気持ちでWへと戻る>

 座禅が終わり、本堂に入ってきたと同じように、手を合わせ、入口で一礼。本堂を後にしました。再び茶室へ。ここで、ご住職から色々と、お話を頂きました。五色(空風火水地)の仏旗の由来、そこから宇宙の中にいる我々の存在、この借りている体を最大限に生かすこと、般若心経で説かれている色即是空空即是色(あらゆる存在は空っぽであるが故に、存在である)とは何か・・・このように、普段考えないこと、又は違う側面から見ることはきっと新鮮であったはずです。
 また、ご住職は来やすい開かれたお寺にしたい、と強調されていました。そのために常に花が溢れる美しいお寺にし、また境内でコンサートを開いたり、落語を行なったりと、我々が思うお寺のイメージからは大分開けたものです。
 お寺というとどちらかというと、今や、あまり明るいイメージはありませんが、本来迷いや心配事を相談しに来る場所で、人が集まる場所であったはずです。どこに行ったら良いか判らないとき、お寺というのも良いかもしれません。何せ2500年以上も歴史がある仏教。きっと答えがあるはずです。
 さて我々ライダーに、参考になるお話、それが呼吸です。ご住職曰く、上がっている状態とは、呼吸が上がった状態とのことで、ともすればバイクに乗ると度々遭遇する状態です。このようなとき、呼吸を整えれば、リラックスして安全に走れるはずです。正しい呼吸はきっと事故を防いでくれる事でしょう。

武甲の湯の前で。
今回の立役者のひとり、もはや全国的な有名人、
松本さんです。今回はB班隊長でした。
<心を清める、体を清める>

 さて、今回の最大の目的は果たし、心が純粋になったところで、野坂寺近くの温泉、武甲の湯に到着しました。ここで、3時まで2時間以上もゆっくり休憩することに。
 単純硫黄温泉、神経痛、消化器系、打ち身、腰痛に効能あり、とのこと。そうそう、そういえば消化器系といえば、胃腸トラブルで途中参加となってしまったW650の伝道師のS藤さん、ゆっくり暖まりましたか?
 あとは各々、ゆっくり温泉に入ったり、食事をしたり、寝たりのフリータイム。中にはここぞとばかりに、熟睡されている方も。やはり修行よりも、温泉。極々普通の人にはリラックスといえば。やはり、これでしょう。でもたくさん並んでいる、ビールの販売機に思わずため息をつく人も。ここは我慢しないとお泊りになってしまいます。
 さて、このリラックスの極みの間にも培倶人の川越さんと、福山カメラマンの取材&撮影が精力的に行なわれました。さて、このインタビューがどのようなカタチで生かされているのでしょうか?

 そして休憩も終わり、最後にインタビューを受けた人の、愛車との撮影会。様子は下の写真のとおり。みなさん、カメラマンの指示を受けて、ポーズと共に、最高な表情でファインダーに収まってゆきました。

 さて、撮影も終わり、出発!
<夕陽の中で、一列に並ぶヘッドライト・・・>

 座禅、そして温泉。二つの目的を予定通り終えて、一行は帰路につく事に。
 再び299号から、秋の夕暮れでほんの少し薄暗くなった山伏峠へ。このときにはもうお互いのスロットルワーク、ブレーキングは気を使わずとも分かるようになっていました。それぞれのバイクが一定間隔で、来たときよりも美しい列を作り、一つ一つコーナーを絡めとってゆきます。
 そして、峠を越えたところで最後の休憩。これまでもかなり会話したはずなのに、まだまだ話すことがある、面白いですね、バイク乗りというものは・・・

 休憩もそこそこに、一行は市街地へ。段々と、今回の旅の終わりが近づきます。ちょっと終わるのが残念な気持ちと、薄暗い中、バックミラーの中に写る後続車のヘッドライトに、少し酔いしれながら、解散場所に到着です。

休憩中。この頃には、お互いに知った同士。
バイクを前に、誰からともなく、会話が始まります。

誰も疲れた表情をしていません。
これがWでのツーリングの良さです。

最後のあいさつをする金字塔。
次回も走ることを、参加者に誓う。
<次回も同じ仲間で、走ることを誓う>

 残念ながら、ツーリングはここで終了。参加者は缶コーヒーを手の中で転がしながら、金字塔の最後のあいさつとなりました。
 まずは事故も、転倒も、あらゆるトラブルが無く、そして最高な天気に感謝、最高のツーリングであったことを確認しました。
 続いて、もちろん第三弾を企画していることを発表、次回の参加を訊ねたところ、全員の賛同を得ました。
 最後に、”あなたの恋人は?”という質問に、すかさず”W650!”という返答。”彼よりも?・・””もちろん!”。

 惜しみながらもここで解散。帰路では、一人また一人、仲間にあいさつをしながら別れてゆきます。一列に走っていった線が点に戻る瞬間です。一抹の寂しさもありますが、次回もきっと会えることでしょう。
 もちろん、TamaShopに来れば、Wオーナーの誰かはいるはず。話相手にはきっと困りません。


さて、どうでしたか?
なかなか、楽しさを文章で伝えるのは難しいもの。そこのWに乗っているあなた、次回の参加はいかがですか?

今回のツーリングに参加されたみなさん、培倶人のスタッフ、野坂寺のご住職他、ご協力ありがとうございました。

それでは次回まで。

By 金字塔
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TamaShopで今、”ほっと”なバイクを紹介します。