2008年 12月 16日更新 | ||
このページは2004年に製作されたモノになります。 記載されている金額等の情報も2004年当時のモノに なりますので、お気をつけ下さい。 |
すっかり冬になり、めっきり寒くなりましたが、みなさん、Wを楽しく乗られていますか?寒くて乗れない?でも、寒いといっても、このまま来春までバイクをしまってしまうのはもちろんとても勿体無いこと。 春夏秋冬の空気と風景を楽しむ。そう、暑い寒いもバイクの楽しみの一つに違いありません。寒くても止まるたびにシリンダーフィンで手を温めながら走るのも、また良いかもしれません。 ・・・でも、そうとはいっても、やはり寒いのは寒い。 ではどうする?ということで、それならば、ちょっとだけカスタムしてみたらいかが?というのが今回のお話です。それではちょっとだけしばしお付き合いを・・・。 |
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<カスタムで行こう!> かつてカスタムなどという言葉が一般的でなかったころ、もちろんそのときはパーツ交換はいわゆる改造でした。言葉をみても、あまり印象の良いものではなく、ちょっと後ろめたい雰囲気も(それはそれで魅力だったのかもしれませんが)ありました。 時代は変わり、今や改造も”カスタム”という言葉に置き換えられ、変更できる範囲も広がり、ぐっと身近になりました。バイクは趣味性が高い乗り物です。人と違うものや、自分にあったように変えること、それは当然の要望ですし、自分のバイクへの思い入れも増すというものです。そういう意味では、バイク乗りが自分を主張できる、非常に良い環境になったと思います。 もちろん、とは言っても何でも出来るわけではなくて、車検を取れなければ公道では乗れませんし、安全性を失っては本末転倒です。バイクはおとなの趣味、嗜むときは、やはり、おとなの理性が必要です。さてTamaShopのWでは何が起こっているのか?ちょっとご覧下さい。 |
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<ちょっとカフェレーサースタイル> 最初のお題は”走るW”。 まずは、写真を見てください。まず、いやがおうにも目立つオレンジタンク、タンクパッドも無くカタチも違う。そのわりには、これは どこかで見たような気が・・・、そう(なぜかTamaShopでは良く登場する)エストレヤのタンクです。 もともとスリムなW650のタンクですので、エストレヤのモノも違和感なく見えます。ただし、取り付けには、それなりの加工が必要になります。上手く取り付いてしまうと、このようにまるで純正のようです。 若干幅広なエストレヤのタンクでニーグリップも改善され、デザインも何となくカフェレーサー風になります。オレンジ色は、一瞬派手ですが、クラッシックなイメージに馴染んでいます。またタンクには全て大文字のKAWASAKI。シンプルですが、何となく懐かしく、あるべきものがそこにあるかのような雰囲気を創り出します。 |
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ちょっと写真の方向を変えるとこんな感じです。 ノーマルのアップのバーハンドルに変わり、セパレートハンドルをフィットさせてみました。昔、これに憧れた方も多かったはずですが、これこそ、ふたむかし前は改造の最たるものでして、諦められたのではないでしょうか?改めて取り付いている姿を見ると、魅力を感じませんか?確かにちょっと前傾になってしまいますが、こういう緊張感もまたいいかもしれません。 あとセパハンにしたときに気になるのは、タンクにハンドルが当たったりしてハンドルが切れなくなることですが、ご覧のとおりハンドルとタンクとの隙間もOK、ノーマルと同じだけハンドルが切れます。スタイルとポジションは変わっても、使い勝手は全く変わりません。 あとはスタイルに合わせて小さくしたバックミラー、ウィンカー、アルミヘッドライトステーが変えられています。フェンダーも薄いタイプに変えました。 |
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視点は変わって、後ろ周り。 テールランプを丸の小型のものに変えて、より軽快感とクラッシックレーサーらしさを演出してみました。フェンダーはノーマルですが、これだけでも雰囲気が結構変わります。 そして、走りを強調するオーリンズフルアジャスタブルサス。ノーマルのままだと派手な黄色スプリングですが、このようなレーシーなスタイルにするとピッタリです。ちょっとテールが上がっていますが、スタイルからするとこれでOKでしょう。 スタイルの変化を楽しむ、それも出来るだけ少ないパーツで変化をつける、ここがオーナーのセンスの見せ所ですね。 |
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こちらは、右後ろからのビュー。もちろんここでのポイントは右二本出しのメガホンマフラー(排気ガス規制の為2001年モデル以降は装着不可!)です。 しかも集合していないで片側二本出すという凝った造りのものです。 このスタイルは60年代のGPレーサーでよくあったスタイルで、全体の雰囲気と非常にマッチしています。もちろん、”抜け”が良くなって性能もアップします。 ちょっと話はそれますが、今年の東京モーターショーで某D社からクラッシックコンセプトが発表されましたが、そのバイクでも片側二本出しでした。これからはこのスタイルがトレンドになるかも知れませんね。 ↓ちなみにこれです。 |
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そして、さらにその性能をちょっとだけ良くするのがこれ、キャプレターの後ろに付いているこのパワーフィルター。サイドカバーは、ノーマルと同じまま付いているので、変わっていることに気づかないかもしれませんが、これがどうして、結構このバイクの性格を変えます。一言で言うと、”伸びる”ようになります。いわば小変更なのですが、W650のエンジンはまだまだポテンシャルを残しているようでその変化は、想像以上です。 もともと比較的低中回転重視(アイドリング〜4,000rpm)のエンジンで、それ以上の回転数ではレッドゾーンまで問題なく伸びますが、伸びて引っ張ってゆく感じがやや希薄でした。その点が大きく変わります。その代わりといっては何ですが、明確な低回転での鼓動感は薄くなります。 オーナーがどちらを好むか、この味付けもまさにカスタム。イメージと具現化させる、クリエィティブな世界です。そういう意味で、このバイクでは、このパワーフィルターが似合っているのです。 ☆上記パワーフィルターは2001年以降の排気ガス規制モデル には対応しません! |
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<サスペンションがもたらすもの> TamaShopおなじみのW650試乗車にはこれまで黄色いスプリングでおなじみの「オーリンズ」リヤサスが付いていて、第3回ではそのレビューをお送りしましたが、今では右側の写真のように、全体に馴染んでしまっている、一見するとノーマル然とした、黒スプリングのサスペンションになっています。 これまで付いていたのは、下の写真にあるBゼファー750用オーリンズ36PRCLBフルアジャスタブルサスでした。確かに非常に良いサスで、全部調整できる事と、見た目もいかにも良いサスが入っていますという感じですが、W650にはあまりに派手過ぎるのと、ゼファー750用でしたので、後ろが上がってしまって、足付きが悪くなってしまう事が問題でした。 さて、ところが、今回、国内でオーリンズを取り扱います、ラボカロッツェリアさんの、ご提供により、W650専用、36Eタイプの試作品をテストできる事になりました。それが下のAです。 |
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@こちらはノーマル |
@のノーマルと比較すると、Aのオーリンズは遠目ではあまり違いがありませんが、近くで見ると明らかにグレードの違いが判ります。何も目立たせる必要がなくても、知っている人がみたら判る、というのはちょっとした優越感にはなるでしょう。 ちなみに、オーリンズの黒スプリング仕様というのは、意外にも日本だけのようで、この辺に日本人の慎ましやかなところが出ているのかもしれませんね。 さてその性能ですが、とにかく一度乗ってしまえば、走り出した瞬間に判る違いがあります。サスペンション一つでこんなに変わるとは、目から鱗、瓢箪から駒です。 どう変わるのか?まずはしなやかになること。柔らかくなるという表現もありますが、それでは、腰砕けになっているように勘違いされてしまいますが、そういうことではなく、ノーマルサスペンションに比べて圧倒的に初期作動が良いのでサスペンションが本来の仕事をしているので柔らかさを感じるということです。 その、初期作動が良いとはどういうことかというと、実際にバイクに跨ってそっと前後にバイクを押してみると分かるのですが、押した力に対して、完全にサスペンションが作動するわけではなく、ある程度の力を加えたときに、実際にサスペンションが作動をはじめることが分かると思います。 これは、サスペンションが動くのに各部の抵抗があって、その抵抗に対して入力の方が勝ったときに初めて作動するのです。 同じように見えるサスペンションよく動くものと、動かないものがあり、よく動くものは初期作動性が良いといいます。 |
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Aこちらがオーリンズ36E |
そしてこの初期作動性が良いサスが、高級なサスペンションということになります。その抵抗を減らすためには構造、工作精度、表面加工等々にコストが掛かるのです。 では、実際に走っているところを想像してみてください。普通に走っていても路面は凸凹してます。それらの上の走るのに、動きの悪いサスペンションだと、作動に至らずに車体に多くの振動を伝えてしまいます。このような状況下では、バネとかダンパーが働いていない、つまりサスペンションが付いていないのとほとんど同じことになってしまい、その結果”硬い”足回りであるとライダー感じることになってしまいます。つまりよくサスペンションが硬い、と訴えられる方がおられますがこれは、スプリングやダンパーではなく、初期作動性の悪さの問題である可能性が高いと思います。 さて、これがゆっくり走っているときは硬さを感じるだけで済みますが、速度が出てくるとそうはいかなくなります。車体に伝わる振動がさらに増幅してゆき、W650のようにあまり剛性の高くない車体の場合は、全体の揺れになって現われ、高速安定性に影響します。 次に、コーナリングしているところを想像してください。良くサスペンションが動くということは、タイヤが常に地面をとらえているという事です。ということは、コーナリング時の安定性も増します。それはブレーキング時も同じです。常にタイヤが地面に食いついているのでブレーキング時の安定性も向上します。また逆に加速時の安定性も変わります。 |
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Bオーリンズ36PRCLBフルアジャスタブル |
ここまでは、初期作動のお話をしましたが、もちろんこれだけでなく、サスペンションにはもちろんスプリングとダンパーが付いています。@とAの写真を見ると、大きく二つの違いがあります。一つ目は、スプリングの内側にある、ダンパーが入っている筒がノーマルよりもオーリンズ製のほうが大きいことで、これは内部のオイルのタンク容量の差になります。もちろん大きい方が変動に対して強いですし、あまり内部が加熱しないので、過酷な環境でも性能が維持します。 それと、ノーマルの場合、スプリングは均等に巻かれていますが、このAでは巻きが均等ではなく片側が密になるようになっています。つまり最初は柔らかく、大きな動きに対しては、強く粘るようなセッティングです。レース用サスは逆に均等にスプリングが巻かれている事が多く、これは作動時にあまり特性が変わるとコントロールしにくくなるからだそうですが、公道用としては最初の動きが柔らかいのは好ましい事だと思います。 あと、サスペンションを変えるということは、足を固めることと思われる方が多いですが、初期作動の話はとにかく、ダンパー、スプリングともノーマルよりもあまり硬くなることはありません。 さて、ここまでお読みいただいておわかりいただけた思いますが、サスペンションはエンジン以外、全ての個所に影響します。このため交換したときに一番効果が如実に出るパーツだと思います。そして決して速く走るためだけの道具ではなく、より快適に、安全にすることが出来る非常に合理的なアイテムです。 このご紹介した、オーリンズサス付き車両、今ならTamaShopで試乗出来ます。その違いをぜひ体験してください。さらに、肝心の発売は1月末から2月で税別67,000円ということです。現在予約受付中です! |
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<意外な組み合わせで幸せになる> 右のW650のタンクは、とあるお客様のリクエストで制作したものです。どこかで見たような配色だと思われた方、あなたは相当なカワサキ通です。これは少し前にエストレヤであった色です。今でもこの色が好きで、エストレヤをこの色に、という方もいます。この色にすると、クラッシックというよりも、ポップなバイクに変身します。 しかし、カワサキもかつて、これを出した時は、思い切ったものでした。バイクに水色/クリーム色のパステルカラー。もしかしたらカスタムではあったかもしれませんが、量産車にはなく、インパクトは大きいと思います。 クラッシックにも、ポップにもなる、タンクの色変更だけでも、オーナーのセンスが生きてきます。 |
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いかがでしたか?今回は、これまでとは、ちょっと趣を変えて、Wのカスタムということでお送りしました。 W650というバイクは、ノーマル状態でももちろん楽しめますが、手を入れたら入れただけきちんと変化するバイクです。ある意味昔のバイクの良さを引き継いでいます。 足回りやエンジン周りで、行なったことが正しい方向ならば期待以上の結果を見せますし、フューエルタンクなど外観のちょっとした変更が結構映えたりします。 思いますに、バイクとは乗っているあなたを最大限に引き立たせる道具です。そういう意味ではバイクは”カッコよく”なければ行けませんし、また、”カッコよく”乗れるようにバイクを仕上げてゆくことは、これこそおとなの趣味です。そう、おとなのバイク、それこそがW650です! さて、最後にもう一つ、おすすめのカスタムをお見せします。それが左の写真、ダイヤル調整式クラッチレバーです。W650のクラッチは距離の調整が出来ず、手の小さい人には、少々重めのクラッチのため、渋滞路等では苦になっていたと思います。しかし、この変更で距離、重さ共に解決。これで楽に走ることが可能になります。TamaShopデモ車にも既に組込み済み。ぜひ店頭でご確認ください! |
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