さて、長らく用品のページを更新しておりませんでしたが、今回は心機一転、TamaShopが満を持してお勧めする逸品、ヨシムラのCatalyzed Cycloneです。長らくバイクはノーマル状態が一番である、と四半世紀以上も言いつづけてきたTamaShopが何故これをお勧めするのかまずはお読みください。

 ヨシムラ。もはやバイクに乗る人で、レースやチューニングにほんの少しでもご興味のある方であれば知らない人はいないという、まさにバイクパーツ/チューニングでは、世界的な巨人といっても良いメーカーです。古くはKawasaki Z1で成功し、世界初の集合管を世に送り出し、近年ではSUZUKIのセミワークス的な存在として、MOTO GPマシーン、GSV-Rの排気系を担当している等、その技術力、歴史に枚挙に隋(いとま)がありません。もちろん、TamaShopとしてはこの背景だけで、お勧めするのではありません。そこは数あるバイク屋の中でも特に頑固なTamaShopです。かつては集合管が付いているだけで、修理をしなかったというくらいの過去があるくらいです。
 時代は変わって、もちろん世の中カスタム全盛時代。TamaShopもそういう意味では近年だいぶん柔らかくなりました。ことマフラーに関してはJMCA承認というかたちの規制緩和で、合法と言えるようになったのは、大きな変化で、販売店も安心して売れる世の中になりました。
とはいえ、ノーマルが一番と冒頭に書きましたが、やはり各バイクメーカーから出荷された状態のノーマル車両は法的に全てクリアしているのもさることながら、セッティング的にも四季を通じてまず問題なく走れるといった完成品です。これに何かしらの変更を加えることは、どこかのバランスを崩す事に繋がる可能性が高いと言わざるを得ません。
でも、とはいえ、もっとパワーを、もっと心地よい音を、もっと格好よく、というのはバイク乗りであれば少なからず持っている希望です。それを出来る限り問題が出ないようにするには、やはり品質の良いものをお勧めし、かつ確実な取り付けを行なう必要があります。そして、その取り付けたものを、きちんとメンテナンス出来ることです。
 お話をヨシムラに戻しましょう。ひとことで言いますと、ヨシムラというメーカーはある面、非常に頑固で、またサービス、品質に対して非常な力を注いでいます。この点については、TamaShopのもつ頑固さと似たようなところがあり、引き合うものを感じています。
 さて、かなり遠回りしましたが、今回のお題、CATALYZED DSC CYCLONEの紹介をしましょう。
 まず、良いエキゾーストシステムとは、どのようなものでしょうか?ちょっとざっくばらんに列挙しましょう。
1.性能が明らかに改善され、かつ低速回転域が細くなってしまうなどの明らかな欠点を持たないこと、2.排気音質が向上し、音割れなどしないこと。音量的に車検の基準をクリアできること、3.溶接や曲げの加工が美しくされており、また各部が腐食等の経年変化に強いこと、4.問題なく取り付けが出来、各部に負担がかかっていないこと、5.軽量かつ、強靭なこと、6.補修、部品交換等のメンテナンスが出来ること、7.排気ガス規制等に対応し、装着状態で車検に通ること、8.オイルフィルターの脱着が容易に出来るか等、メンテナンス性に優れること、9.品質保証体制が整っていること、10.所有する喜びがあること。
 どうです?ある意味、エキゾーストシステムはバイクを構成するひとつの部位に過ぎませんが、ざっと挙げてもこれだけの要素があるのです。さらには外観的にバイクの肝心なポイントであり、また大排気量車になると15万前後のお値段もありますので、ユーザーの方の期待値も高いものがあると思います。
 さて、バイク用のアフターマーケット製マフラーは、それこそ数え切れないほど販売されていますが、これらの条件を満たすメーカー、製品はいくつあるでしょうか?
 それでは、各ポイントを見ていきましょう。
1.の性能、これはもちろん、メーカーのセミワークス的な存在であるヨシムラです。そのテスト環境、開発環境は誰しも認めるところですし、実際に体感も出来ます。2.排気音質、アイドル付近では比較的静かでありながら、回転が上がるにつれて、排気音が演出されていきます。もちろん音割れもありません。3.加工ですが、これは実物を見ていただくのが一番でしょう。また新品のみならず、機会がありましたら、長いこと乗られている車両のマフラーをご覧になって下さい。
 4.の組立性ですが、これは文句なしです。4気筒モデルの集合部はスプリングで留められていますが、組立式でありながらこのスプリングが無くても強度的には問題がなく、排気漏れも起こさない程の精度で製造されています。正直アフターマーケットマフラーでは組みにくいものが多々あります。このような組み立てにくいマフラーの場合、車体やマフラー自身にもストレスが掛かり、破損するかもしれません。特に昨今では、アルミ、チタン等の新素材が使われており、非常に軽いのですが、その反面、ストレスが著しくかかった場合、金属疲労に繋がる可能性もあります。
 5.軽量、これも文句なしでしょう。特に排ガス対策用の触媒をマフラーに組み込みながら、他社のものと比べ同じか、軽いくらいです。また新素材にも積極的で、チタンやカーボン、そして今年はインコネル(ニッケル合金の新素材)まで登場し、採用するだけでなく、それを生かし、軽量に仕上げています。
 6.マフラー自身のメンテナンスも、補修部品の入手や、サイレンサーの修復等、メニューも充実しています。
 7.排ガス規制対応、これがこのCatalyzed(触媒)Cycloneの最大の特徴になります。最大の利点は、このマフラーを装着しながら平成12年以降の排ガス規制を余裕でクリアし、また車検をクリアできることです。車検に際しては、おなじみJMCAのプレートに平成12年規制クリアと刻印されており、これがその証明となります。つまり扱いは、全くノーマルマフラーと同じになるのです。今年に入り、他メーカも触媒入りのマフラーを販売するようになってきましたが、ヨシムラはいち早くこの触媒を採用しています。また、触媒と聞くと、中に何か詰め物が入っているように思われますが、(現にノーマルマフラーはハニカム状の触媒が詰められていますが)右の写真、そして下の二枚の写真をご覧になれば分かるとおり、排気経路は全くのストレートです。この触媒によってパワーロスが全く起きないことはこれで一目瞭然です。
 8.マフラー装着状態での整備性、これについては、例えば上に写真のある、ZRX1200Sの場合、そのままではフィルター交換が出来ませんが、集合部より後ろが取り外し出来るため、比較的容易に交換が出来ます。このようにどうしてもフィルターの下をパイプが通ってしまう場合にも、きちんと考慮されています。

サイレンサー部の断面。見難いですが、緑色に塗られているところが触媒です。その外側が消音のグラスウールです。
 だいぶ長くなってしまいました。あと一息です。
9.保証体制ですね。サイクロンマフラーは品質的に、2年間保証されています。バイク自身がメーカー保証が1年なのに対してです。これもヨシムラの自信の表れです。(この点、TamaShopのご提供するCS2、2年保証と相通ずるところがあります)。またヨシムラは製造メーカーとして、ISO9000の取得をするようです。ISO9000って何?ということですが、簡単に述べますと、品質保証の国際的なルールがあり、これに沿って製造や保証が出来ていると、認定機関があって、承認過程をパスすると、適合の証明を発行するというものです。言い換えますと、つまりちゃんと保証が出来るメーカーです、ということのお墨付きとお考え下さい。このように、進んで厳しい基準にチャレンジするのが、ヨシムラのすごいところです。
 最後の10.所有の喜び、ですが、もちろんPOP吉村氏から創られてきたその伝統を共有する喜びがまず重要なポイントです。そして左の写真のように、Tri-Oval形状(三角形を楕円で結んだかたち)のように新しいデザインにも挑戦しており、機能的(バンク角の増大)にも、意匠的にも所有の喜びが得られると思います。さらに、意匠を凝らした、D-Tracker用のTri-Cone Cycloneも登場しています。
 ・・・ここまでどうでしたか?お勧めに至るまでは、このように多くの理由があるのです。
 さて、あえて述べませんでしたが、これまでにもTamaShopは、ヨシムラと協力関係にありまして、250TRや、ZRX1200等の製作では車両の協力を行ってきました(ささいな事ですが、ヨシムラのカタログや広告を見ると、TamaShopロゴが見つかることがあります。よく注意してみてくださいね。)。

そして、今年はあの注目のモデルの製作も検討中です。近日中にTamaShopとしても、ヨシムラのすごさを伝えるべく、製作過程のドキュメントをお伝えする予定です。よろしくご期待ください!

    
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