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TamaShopで今、”ほっと”なバイクを紹介します。

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2ページ目は、後ろ側から考察をはじめます。
今度は、外から見てみます。左の写真には、いくつも大事なポイントがあります。
まずはテールランプ。同時に発表されたZX-6Rと共に、カワサキでは初のLED採用のランプです。非常に明るく、非視認性が良く、かつ寿命が非常に長い、形状に自由度が高い、発熱がほとんどない、消費電力が低い、なにしろカッコいいという、パーフェクトなアイテムです。
さて、そんなことよりも、このバイクの外観上の肝、この4本出し”クワッドマフラー”を述べなくてはいけないでしょう。実は、左の写真はその説明のために選んだものです。横方向からバイクを見たときにはデザイン上だけの理由しかこの4本出しにした意味が判りませんが、この方向から見ると、バンク角の深さ、張り出しの少なさが判ると思います。
聞くところによると、ジムカーナー乗りの一部がこの張り出しの少なさに注目しているようで、確かにパイロンに1mmでも近づきたい向きにとっては、武器になるやも知れません。そうでない人も、街中走行ですり抜けがやりやすいのではないかと思います。最近の大きいサイレンサーのついたバイクは当たりそうで、とにかく気になりますよね?もちろん、これまで通り一本出しスタイルの集合管がいい!場合にはすぐにアフターマーケットのマフラーが出るでしょう。
また張り出しといえば、この写真には写っていませんが、サイドスタンドが鍛造製でかつ張り出しのないように内側めに取り付けられています。細かいですが、重要な配慮がされています。
あとは、細かいことですが、テールカウル下に、車体色と同じ色のカバーが付いています。この手法はヤマハのYZF-R1と同じモノですが、非常にすっきり見えると共に、高級感も感じられます。最後に、幅が190もあるリヤタイヤです。とにかく走りたい方には言うことの無い、選択だと思います。
ちなみに、雑誌等ではあまり紹介されていないですが、シートカウルを取ってみるとこんな感じになります。ちなみに、シートカウルはオプションで、ZX-12Rのように標準では付いてこないようです。
次はエンジンです。
ZX-9Rのエンジンを、899ccから953ccにボアアップして、ダウンドラフト(つまりキャブがシリンダの上方向についているタイプ)からホリゾンタル(つまりシリンダの横からキャブやインジェクションが取り付くタイプ)に変える為に、シリンダとシリンダヘッドがかなり変えられています。
それにしても、この9Rベースのエンジン、ネイキッド用として結構見栄えがいいです。今ではカッコ良いと思えますが、ZRX1100が登場したときは、多少の違和感がありました。
また、これまでのネイキッドは、水冷でもかなり空冷を意識したフィンのような飾りをつける傾向がありましたが、ヤマハのFZS1000やホンダのホーネット900といい、水冷を前面に押し出せるようになり、熟したというか、世代が変わったのだと感じられます。
さて、エンジン周りで、少々頭を悩めていることがあります。ネイキッドの必需品、エンジンガードをどうやってつけようか?ということです。フレームのアンダーチューブもないし、フレームマウントも遠く、ホーネット用のスラッシュガードのようなものも取り付きません。これは今後、色々考えてみましょう。
もう一回引き戻して、全体のスタイリングを確認しましょう。

実は、ここまで触れませんでしたが、名前に違和感がある方は、これは”Z”ではなくてむしろザンザス1000ではないのか?と思われているのだと思います。改めてかつてのザンザス(400)と比べてみると、軽量の水冷ネイキッド、マフラーの取りまわし(ザンザスは片側2本出し)、薄くかちあがったテールカウル、と、共通点はなくは無いですが、全体の雰囲気は似たものがあるものの、デザイン意匠はほとんど似たところはありません。しかし改めてこのザンザスを見てみるとデザイン的にすごいバイクでした。右にマフラー二本出しにする為に、スイングアームは右だけ湾曲しているし、あのタンク周りのスタイリングを造るがために複雑な形状のアルミメインフレームとなっているし、どう形容してよいのかわからないヘッドライトの形、なんで先がとがっているかわからないメーターカバー等々、斬新さでは、こちらより上だったかもしれません。今でこそ、そのカッコよさがわかって来ましたが、発売当時はやはりそうは思えなかったのは正直なところです。ザンザスの誕生はつまり早すぎたということでしょうか(早すぎたといえばGPz250Rもありましたね?そういえばテール周りがちょっとだけ似ているかも)?
しかし、今度のZ1000は遅すぎも、早すぎもしない、やっとタイミング良く出てきたという感じです。某雑誌による、アンケートでも半数以上がカッコいいと回答してますし、相変わらず好き嫌いはありますが、過半数のバイク乗りがこの格好を評価出来る時代になったわけです。
さて最後に、スペックを一通り検証して第一回を終わりにしたいと思います。

出力:  127PS @10,000rpm 最大トルク:  9.7kg-m @8000rpm
減速比:  一次1.714 / 二次2.625
車重:  198kg(乾燥)     ホイールベース:  1420mm
全長:  2080mm        全幅:  770mm
キャスター角:  24度     
タンク容量:  18L       シート高:  820mm

え?これまでの推定データよりかなりおとなしい?ってお思いですか?確かにあの推定データには少々驚きました(特に車重)。そういう意味では多少残念な気もしますが、安心したのも事実です。
さて、このスペックで一番のポイントは、最大トルク発生の回転数です。ベースとなったZX-9Rよりも1200回転も低い点です。よく勘違いされやすいのですが、最高出力はサーキットレベルのピーク回転まで回す乗り方であれば非常に重要ですが、おわかりの通り、実際は一般道ではそんなに回しません。よって、馬力とは、
   馬力(PS)=トルク(kg-m)*回転数(rpm)/716
ですので、低い回転で最大トルクが出るということは、同じ回転数で比較すれば、より出力が出ているということになり、これは体感上もかなり速い、と感じることにつながります。そういう意味では、かなりZX-9Rに比べて手を加えられているのでしょう。また、エンジンでは二次減速比がZX-9Rの2.563(41T/16T)から上げられており、スプロケットの歯数は想像ですが2.625(42T/16T)で多少加速寄りになっています。
一方フレームまわりは、非常に過激なスペックが与えられています。ホイールベース1420mmはZX-9Rと3mmしか変わりませんし、ヤマハのFZS1000と比べても30mm、ホンダCB900Fホーネットからも40mm短いものです。またキャスター角は24度、これはFZS1000の26度と比べれば、相当に運動性寄りで、はっきりとキャラクターが違うのではないかと想像します。車重は推定データからすれば、一番がっかりされた点かもしれませんが、バンク角や、張り出しが少ないという長所のあるあのエキゾーストがかなり重そうなので、交換すれば推定スペックにかなり近づくのではないでしょうか?逆に心配なのが、足つき性ですね。820mmはZX-9Rよりも低いですが、ZRX1200と比べても30mm高く、これは何らかの対応が必要かもしれません。ただ、実際にミュンヘンで跨ってきた人の感想によると、シートの前あたりがかなり絞れており、結構これで助かるようです。ダブルクレードルではなくダイヤモンドフレームにしたのはこれが一つの理由かもしれませんね。

さて次回は、新しく入る情報も加え、細かいところも追及していきたいと思います。さらに次回の更新までには、第一号車の到着予定も決まるかもしれません。
さらに、TamaShopでは、試乗車を準備して、皆様にも体験してもらおうと思っております。さらにその感想も加えて、このページは発展してゆきます。お楽しみに!!


第一回  了